2012年4月15日日曜日

快適にアニメ編集するために投資しまくってみる

自分では殆ど見ないのに、アニメをキャプチャしてCMカットしてからエンコードする生活を続けて早数年。今ではキャプチャPC×2とエンコードPCで日夜作業を実施しており、我ながらリソース投入しすぎじゃね?と思う日々だったりします。

 もうすっかりこの生活に慣れきっており、あんまり不満はないのですが、CMカット時にやや動作がもたつくのにややストレスを感じ気味。テンポラリに使っているHDDのアクセス速度が遅いのではないかと考え、その改善を試みることにしました。



 改善のために「Intel Smart Response Technology」、通称SRTを活用することに。ご存じのように、SRTはZ68マザーじゃないと使えないので、H67マザーから置き換えることにしました。今回導入したのは、「ASUS MAXIMUS IV GENE-Z」。Z77マザー発売直前だったためか、中古で11480円と安く買えました。

 実はこのマザー、すでにメインPC用としても導入済みだったりするので、これで手持ちは2枚目。本来はゲーミングPC向きのマザーなのですが、オンボードNICがIntel製だったりと高品質のため、かなり使い勝手の良いマザーです。Intel製NICは安くても3000円程度はするので、それを別に買うことを考えればかなりお手頃かと。



 SRTとして、HDDは「Seagate ST2000DL003」を、SSDは「Crucial RealSSD C300 64GB」を用意。いずれも一世代前の製品ですが、性能的には決して劣っているわけでもないため、十分に性能を発揮してくれる・・・はずです。

 SRTの構築の仕方はとても簡単で、「インテル ラピッド・ストレー・テクノロジ」を起動し、そこから「高速」というボタンをクリックし、あとは順を追って設定していくだけ。解除も同じように簡単にできますので、余っているSSDがあればすぐにでも試せます。設定時にはキャッシュ容量や動作モードを選べますが、今回は「キャッシュ容量=64GB(全容量)」「動作モード=高速」を選択しました。

 



 んでもってこれがベンチ結果。上がHDD単体、下がSRT状態。格段にRead性能は上がるのですが、Write速度はほぼ半減。それでもRead速度は大したもので、一昔前のSSDと大差ありません。

 試しにこの状態でアニメ編集をやってみたのですが、残念ながら体感速度は大差無し。というのも、録画ファイルは一時的に保存するだけであり、エンコードが終わればすぐに廃棄してしまいます。つまり、SSDにキャッシュされたとしてもすぐに廃棄してしまうため、SRTの意味が殆ど無いのです。むしろ、書き込み速度が落ちてしまっているため、最初のファイル転送時にストレスが溜まるようになりました。本末転倒過ぎる・・・。

 これでは何だか負けてしまった気がするので、何とか現状を打破することに。「SRTが駄目なら、根本的に読み込み速度を上げてしまえばいいんじゃね?」と考えたのが運の尽き。



 というわけで大枚はたいてSSD(A-DATA AS510S3-120GM-C)を2台購入。これでRAID0を組めば漠速になるはず。実のところ、エルミタでレビューがあったのでそれをそのまま真似しただけなのですが。

 早速RAID0を組み検証開始。ただそのままやったのでは面白くないので、Z68とは別にSATA3カード(AREA SD-PESA3-2IR)も用意して、それぞれでRAID0を組んで速度を計測してみました。それと、「AS510S3-120GM-C」は圧縮可能なデータならば速度が向上するという特性もあるので、と「0Fill」「ランダムデータ」のそれぞれで計測しています。いやぁ、我ながら良くやるわ。





 まずは「AREA SD-PESA3-2IR」に接続してRAID0を組んだ場合で、上が「0Fill」、下が「ランダムデータ」の結果です。データによる違いはありますがそれほどは大きくはありません。しかし、そもそもの速度自体がRAID0としてはあまり出ていないようです。PCI-Eの帯域不足も疑ったのですが、他のスロットには何もカードを挿しておらず、原因はハッキリとはしませんでした。





 続いては、Z68のSATA2.5ポートに接続しRAID0を組んでみた場合で、上が「0Fill」、下が「ランダムデータ」の結果です。SATA2.5ポートとは言え、先ほどの「AREA SD-PESA3-2IR」に接続した場合よりも速度は出ています。しかしSSDのRAID0と言えるほどの速度は出ておりません。





 最後に、Z68のSATA3ポートに接続しRAID0を組んでみた場合で、上が「0Fill」、下が「ランダムデータ」の結果です。ここでようやく、RAID0らしい結果が出てきました。0Fill時のRead速度は1Gに迫っており、ほぼ公称スペック値と言える速度が出ています。注目すべきはランダムデータ時の値で、SATA2.5ポート接続時とあまり差はありません。実使用時にはすでに圧縮されたデータを取り扱うことが多いことから、体感的にはSATA3ポートもSATA2.5ポートも大差は無いかもしれません。

 こうして色々試行錯誤し、ようやく快適にアニメ編集が出来るようになった・・・はずなのですが。実際のところ、SSDのRAID0にしたところで、体感速度はそれほど向上しませんでした。どうやら、ネックになっているのはディスクへのアクセス速度ではなく、録画ファイルを(一時的に)デコードする際の処理能力のようなのです。CPUやメモリを強化すれば改善するかもしれませんが、ソフトウェア上の限界のようにも見えるので期待薄。編集ソフトである「TMPGEnc Video Mastering Works 5」がバージョンアップし、処理能力が向上するのを待つしか無さそうです。ああ、あれだけ投資して苦労したのになぁ・・・orz

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