2014年9月20日土曜日

Bay Trail搭載の小型PCに振り回されてみる(その2)

さて、先日ご紹介した「Bay Trail搭載の小型PCに振り回されてみる(その1)」の続きでございます。Intel 「DN2820FYKH」を購入したものの、目的である「広域イーサネクスト」が正常に動作せず、枕を涙で濡らす羽目になったのですが、それでめげていても仕方が無いわけで。「そんなこともあろうかと~!」とマッドサイエンティストに次に突き進めばいいのです。あ、ここまで欠いちゃうともう方向性が分かっちゃいますね、てへ♪


まぁお察しの通り、勢いに任せてGigabyte  「GB-BXBT-2807」を購入してしまいました。8月中旬発売とされており、お盆明けぐらいから出回るようになっていたのですが、ポイントが貯まっていたSofmap.comで購入しようとしていたら中々入荷しない。ようやく調達出来たと思ったら9月に入ってしまいました。その間、「買ってしまおう!」という勢いが何度そがれそうになったことか・・・。それでもめげずに買ってしまう自分が偉いというか何というか。


ハードウェア構成的には、先日ご紹介した Intel 「DN2820FYKH」と余り変わりはありません。ただ、筐体がアルミ製では無くプラスチック製ということもあり、どことなく安っぽいような感じも受けます。ファンレスなら 「DN2820FYKH」と同じアルミ製の方が放熱に有利なような気もするのですが・・・。

ともあれ、早速動作チェック。「DN2820FYKH」でも使用した中古DDR3Lメモリ(2GB・4GB)であっさりと起動。やはり通常電圧のDDR3メモリでは起動しませんでした。消費電力はアイドル時で5W程度と、 Intel 「DN2820FYKH」の6Wと比べ若干小さめ。CPUスペック的にもこちらが低め(N2807とN2820)なので、妥当な結果なのかもしれません。ちなみに負荷をかけても10W程度の消費電力に収まるのですから凄いものです。

そしていよいよ本題、「広域イーサネクスト」が動作するかどうか確認です。まずは前回同様、USB経由で起動出来るかどうかを確認してみます。
  • CD-R(USB接続)からの起動 :×
  • USBメモリからの起動 : ×
・・・のっけから期待にそぐわない結果(?)となってしまいました。「DN2820FYKH」同様、デフォルト状態だとUSB周りで引っかかってエラーとなってしまうようです。やはりBay TrailではUSB周りが鬼門と言わざるを得ないのかと。

気を取り直して、今度はSATA経由での起動を試してみます。
  • CD-R(SATA接続)からの起動 : ○
  • SSD(SATA接続)からの起動 : ○ 
この結果も前回同様なのですが、やはりUSB接続のLANアダプタを認識してくれないことまで結果が同じとなってしまいした。同じBay Trail搭載PCということで、挙動まで同じなのでしょうか。うーむ・・・。

悩みつつも、UEFIのメニューを色々といじってみる。すると、「Chipset>XHCI Mode」という項目が見つかりました(OS Selection「Windows7」を選択していないと出てこない)。広域イーサネクストの起動出来ない原因はUSB周りにあることは分かっていたので、もしや関係あるかも・・・と思っていじってみることに。

 
 デフォルトで「Smart Auto」となっていたので、まずは「Auto」に変更し広域イーサネクストの起動を試みたのですが、またもやLANアダプタを認識せず。「駄目か・・・」と思いつつ、最後の希望をかけて「Enabled」に変更してみたところ・・・なんとLANアダプタを認識したではありませんか!


このように、本体内蔵のRealtek製のLANポートと、USB接続しているLANアダプタの2つをきちんと認識しています。この状態なら、問題なく広域イーサネクストを使うことが出来るので一安心。色々と苦労したり無駄遣いした甲斐がありましたよ・・・。ちなみにこの状態でも、やはりUSB経由での起動はNGでした。残念。

そんなわけで、「GB-BXBT-2807」は実家側の広域イーサネクスト専用機として運用開始。さすがに光学ドライブを内蔵出来ないので、SSDを内蔵させた上で常時運用しています。前述の通り、消費電力は5W程度とかなり低く、性能的にも何ら問題はありません。筐体もコンパクト置き場所にも困らないため、広域イーサネクスト専用機としてはベストチョイスでは無いかと自画自賛しています。これで内蔵LANが信頼の置けるIntel製だったら完璧だったんですけどねぇ。ま、Realtek製でも殆ど性能が変わらないことは以前の実験で確認済みなので、実質的な問題は無いのですが。

2014年9月9日火曜日

Bay Trail搭載の小型PCに振り回されてみる(その1)

約2ヶ月ぶりのご無沙汰でございます。ここまで筆無精が酷くなるとは、自分でも思ってもいませんでした。まぁ正直なところ、書きたくなるようなことがあまり無いんですよね。特に面白い出来事も無いですし、夏休みも旅行にも行かずダラダラしてるだけでしたし。このままじゃジリ貧だなぁ・・・と思いつつも、行動に移せずにいる自分がいる。どうしてこうやる気が無くなっちゃんでしょうかねぇ。自分から動き出さないと、何も変わらないことは分かってるはずなのですが。

さて、こうして雑記の更新をするからには、それなりにネタをご紹介したいと思います。以前から実家とマンション間の通信に活用している「広域イーサネクスト」ですが、接続用PCの電気代が気になるようになってきました。1台(実家用)は「DN2800MT」で自作しており、消費電力も10W程度なので常時稼働させているのですが、もう1台(マンション用)は余剰PCを利用しており、どう足掻いても30W程度の電力を食ってしまいます。小まめに電源を切れば良いのですが、それはどうにも面倒。そこで、最近出回っている省電力PCを新調し、マンション側も電気代を気にせずに常時稼働可能なPCに移行しようともくろんだ次第でして。

 現在、省電力PCと言えば「Bay Trail」搭載のPC群が最右翼。ATOMの流れを組んでおり、その省電力性能は折り紙付きで、10W以下の消費電力が当たり前となっています。色々と調べた結果、候補は以下の通りになりました。
まず「DN2820FYKH」ですが、今年2月頃から出回っておりそれなりに「枯れて」いる印象。広域イーサネクストでは使えませんが、無線LAN周りがIntel製となっており、他の用途へ使い回しすることになっても安心です。ただ3機種の中で唯一のファン装備なのはちょっと残念。

次に「GB-BXBT-2807」ですが、性格的にDN2820FYKH」と似たり寄ったり。RGB出力を備えており、より汎用的に使えそうにも見えます。ただ発売が8月中旬と、購入を検討していた時期(7月下旬)には出回っておらず、評価などもまだ定まっていませんでした。ちょうどこのタイミングで購入キャンペーンを開催しており、実質1000円程度安く買えるのは魅力。

最後に「LIVA-C0-2G-64G-W / LIVA-C0-2G-32G-B」ですが、この中で最も小型、かつメモリがオンボードでeMMCによるストレージを備えるなど、追加投資が要らない点が魅力です。逆にこれ以上の増設等は困難なため、拡張性に欠けます。


と、こんな感じで色々悩んだのですが、「今すぐ手に入りお盆休みの間にいじり倒せること」「他の用途へ使い回せること」を考慮し、結局無難な「DN2820FYKH」にすることに。7月末には通販にて購入していたのですが、別途必要となるDDR3Lメモリの調達が遅れたため、いじり始めたのは8月に入ってからでした。


 さて、箱を開けて取り出してみるとこんな感じ。これまでのNUCと異なり廉価版という色合いが濃く、開封すると音楽が流れると言った凝ったギミックはありません。従来機種より高さが若干増しているようですが、それでも十二分に小型。フロントのUSB端子は3.0対応で、使い勝手が良さそうです。


中身はこんな感じ。mini PCI Expressスロットに搭載された無線LAN/Bluetoothコンボカードや、DDR3L専用のメモリスロットが確認できます。右側のふた部分には2.5インチベイがあり、SSDやHDDを搭載することが出来ます。こうして見るとまるっきりお弁当箱みたいですねw

気になる動作の方ですが、中古で安く調達してきたDDR3Lメモリ(念のため2GBと4GBのモジュールを用意)を搭載してみたところ、問題なく起動。対して、手持ちのDDR3メモリでは起動すら出来ませんでした。搭載チップ的にはDDR3L対応(モジュール自体はDDR3Lでは無い)のメモリも手元にあったので試してみたのですが、やはり起動はNG。どうやら、SPDを見るなどしてDDR3Lメモリかどうかを判断しているようです。手持ちのDDR3メモリのストックを使うことが出来ないのはちょっと残念。

また消費電力も、アイドル時で6W程度と実に優秀。memtest等で負荷をかけてみても、最大で11W程度しか行きませんでした。その消費電力の低さは噂通りだったようです。これは期待が持てますな。

さて、これからがいよいよ本番。 使用を想定している広域イーサネクストが正常に起動し、動作するかどうかをチェックします。まず手始めに、手持ちの起動用CD-RとUSBメモリを使って確認することにしました。  
  • CD-R(USB接続)からの起動 :×
  • USBメモリからの起動 : ×
…ある程度は想定していましたが、いきなり厳しい結果に。画面表示を見ていると、どうやらUSB周りの設計が特殊なようで、EHCIとして認識する際にエラーを吐いて起動に失敗していました。ざっと調べてみると、このDN2820FYKH」でLinuxを導入するのはかなり大変なようで、今回同様にUSB周りで四苦八苦しているという記述を多く見かけました。

USBから起動するのが難しいのであれば、残るは内部にあるSATA端子を使うしかありません。そこで、まずはSATA接続の光学ドライブを引っ張り出し、バラック状態のまま外付けしてみました。
  • CD-R(SATA接続)からの起動 : ○
今度はすんなりと起動に成功。やはり、USB経由での起動は鬼門のようです。ただこのバラック状態では常用できるとは言えず、せっかくのコンパクトさが台無しとなってしまいます。うーむ。

そこで思いついたのが、手持ちの2.5インチSSDに広域イーサネクストをインストールしてしまう方法。もちろん単純にファイルをコピーしても起動することは出来ません。 しかし、以前USBメモリから起動する方法を紹介していたこのBlogを眺めていると、導入先はUSBメモリだろうがSSDだろうがHDDだろうが出来てしまいそうに思えました。ちょうど良く、お蔵入りしていた32GBの2.5インチSSDがあったので、これに広域イーサネクストを入れて試してみることにしました。結果は・・・
  • SSD(SATA接続)からの起動 : ○
なんとあっさりと起動に成功。これならば、「DN2820FYKH」筐体内の2.5インチベイに納めることが出来るので、そのコンパクトさが犠牲になることはありません。広域イーサネクストの「安価な光学ドライブ(もしくはUSBメモリ)から起動できる」というメリットをかなぐり捨ててしまうことになりますが、これはまぁ仕方ないでしょう。

「さてこれで無事に解決したぞ・・・」と思いきや、ここにきて今回最大の落とし穴が。広域イーサネクストを使うには、PCに最低2つ以上のLANポートが必要となります(有線のみ、無線はNG)。 「DN2820FYKH」には有線LANポートが一つしか無いので、もう一つはUSB接続のアダプタで増設してやるしかありません。だがしかし、そのUSB接続のアダプタも、前述のUSBI周りのトラブルで正常に認識されず、例えSSDから起動しても「有線LANポートが一つしか無い」という状態に陥ってしまうのです。せっかくここまで苦労したのに・・・orz

解決策を検討してみましたが、やれるとしてもmini PCI Expressスロットに有線LANカードを搭載することぐらいしか思いつきませんでした。この方法は「Halfサイズの有線LANカードは恐らく存在しない」「あっても非常に高価」「搭載できたとしても有線LANポートを筐体外に引き出すのが困難」と、著しく現実味を欠くと言っても良いでしょう。もうお手上げですわ。

こうして、せっかく購入したDN2820FYKH」も、悲しいかな宙に浮いてしまう結果に終わってしまいました。このままでは引き下がれないので、何とか対処してみたいのですが、どうなることやら・・・。